日台熱愛物語

僕と彼女、彼女と僕

付き合ってくださいと言うまで

あれは確か大学祭の日。時間は昼くらいだったかな。

もともと大学祭には出られないはずだった。野球の試合で、関東まで遠征する予定だった。

それが連日続いた大雨のせいで流れた。おかげで大学祭に参加できるようになった。

とはいえ大学祭当日の朝に大会延期の知らせを受けた時正直がっかりした。大学祭なんかより野球の試合のほうが断然面白く感じられた。

突然延期の知らせを受け、そもそも大学祭に参加する予定のなかった僕は一気に暇になった。

今さら野球部で何か模擬店をやらせてくれと頼んでも、大学側が許可してくれるはずがない。

僕は仕方なく食事のためだけに大学祭へ足を運んだ。

あの時の僕はどうかしていたんだと思う。大学祭で活気づくキャンパス内を歩きタバコで闊歩した。

突然大学の職員が慌てて駆け寄ってきた。

そして大学職員に歩きタバコを注意されている姿を彼女に見られた。

彼女はなぜか知らないけど笑顔で僕のことを見つめていた。

もしかしたら馬鹿にして笑っているのかもしれない。

そう思った僕はちょっと悲しくなった。

まさかあれがちょっとしたきっかけになるなんて思いもしなかった。

次の日僕は試合の延期と歩きタバコを注意してくれた大学職員に感謝することになる。

続く